心筋梗塞や脳梗塞は、ある日突然起こります。これらは死亡率が高く、死を免れたとしても大きな障害を残すことの多い病気です。コレステロールが高いことが原因となり、コレステロールを下げる治療がなされてきました。
しかし、これとは別に、食べ過ぎ、肥満がもとで起こる糖尿病、高血圧症、高中性脂肪血症もこれらの病気の原因になっています。糖尿病、高血圧症、高中性脂肪血症は、動脈硬化を進行させ血管を詰まらせます。心臓の血管が詰まれば心筋梗塞になるし、脳の血管が詰まれば脳梗塞です。
メタボリックシンドロームとは、太ってしまった結果、糖尿病、高血圧、高中性脂肪血症のすべて、あるいはこれらのうちの二つの病気を持つようになった人の状態を言います。
太るとこれらの病気が起こるのは、内臓脂肪が関係しています。内臓脂肪とは、皮下脂肪と違って内臓の間にたまった脂肪をいいます。内臓脂肪の増加は、アディポネクチンと呼ばれる物質の分泌を悪くします。アディポネクチンは体によいことをする物質で、糖尿病、高血圧、脂質異常症の原因をなる、インスリン抵抗性という状態を改善する働きがあります。
太ると、内臓脂肪が増しアディポネクチンが減って、インスリン抵抗性を進行させ、糖尿病、高血圧症、高中性脂肪血症を引き起こし、やがて心筋梗塞、脳梗塞になっていくということです。
では、太って内臓脂肪が増えた状態というのは、どのようにして判断されるのでしょうか。一番よい方法は、へその高さでCT(体の内部の写真を撮る機械)を撮ることです。内臓脂肪が100平方センチ以上あれば、内臓脂肪が増えていると判断されます。しかし、費用や時間のことを考えると、すべての人がすぐにCTを撮るというわけにもいきません。そこで、現在日本では、へその高さで胴回りを測ることで内臓脂肪の状態を判断しています。男性の場合は胴回り85センチ以上、女性の場合は90センチ以上なら、内臓脂肪が増えていると判断されます。
メタボリックシンドロームの原因は、肥満です。肥満の解消は、脳梗塞、心筋梗塞を予防するためにも重要であるといることを、覚えておいてください。